以前、このブログでも書いたかも知れませんが、舌下免疫療法という新しいアレルギーの治療法があります。これは皮膚から浸入する異物(主としてタンパク質)に対してはアレルギー反応を起こすが、口から入る物に対してはアレルギーを起こさない、耐性を獲得できる(治る)という体内の反応を利用した治療法です。既にスギの花粉症治療で実用化されています。スギの花粉のエキスを口に含むことでスギ花粉に対する耐性が獲得できます。これは抗ヒスタミン剤などの単なる対症療法ではなく、アレルギー体質そのものを治療するわけで画期的と言えます。
それと同じ方法でダニに対する舌下免疫療法が開発されたことが、今週の「ためしてガッテン」で紹介されていました。子どもに使えるのはまだ先のことになるでしょうが、期待できます。近年、様々なアレルギーに対する考え方、治療法が変わりつつあります。食物アレルギーについても不要な食物制限は反って重症の食物アレルギーを引き起こす可能性があることが分かってきました。食べられる範囲で積極的に食べた方が食物アレルギーは治るのです。我々は常に知識を更新しなければならないし、新しい知見を社会に情報提供して行くことが大切だと考えています。
スギやダニの舌下免疫療法はスギやダニ単独のアレルギーがある患者では有効ですが、複数のアレルギーがあるとその効果は限定的です。将来、それぞれの人が持っているアレルギーに合わせた、オーダーメイドできる混合タイプの舌下免疫療法が開発されるといいななんて夢見ていました。