鵞口瘡

院長のつれづれ

 鵞口瘡をご存じでしょうか。時々、赤ちゃんの口の中に白い乳かすのような付着物が出来る病気です。カンジダ菌という真菌によって起こる口内炎の一種です。まだ免疫能の未熟な赤ちゃんに多い口内炎ですが、抗がん剤などで免疫能が低下した成人でも時々あります。口腔用の抗真菌剤(フロリードゲルなど)を塗布することで多くは容易に治ります。

 先日、自分の唇に違和感の覚え、鏡で見ると白い付着物がありました。「あれま!鵞口瘡になっちゃった」と抗真菌剤の軟膏を塗布し始めました。「最近、疲れが取れないから免疫力が低下しているのかも」と思っていましたが、なかなか治りません。調べると治りにくい鵞口瘡もあるようでその時は経口の抗真菌剤の併用もされるようです。しかし鵞口瘡と思っていたら実は口腔ガンだったということもあるようで、心配になり耳鼻科医の弟に診てもらいました。彼は「悪性の可能性はない!ただの角質化だろう」と言っていました。「じゃあ治療は?」と聞くと「酷かったら切除するだけ」だと。「ステロイドの軟膏は?」「意味ない!」ときっぱり。「慣れれば良い」と。

そう言われても慣れるものではありません。先ず診断とそれから治療を考えようと先ず培養してみました。しかしカンジダ菌は出ませんでした。では「やはり角質化?それなら何か原因となる刺激があるはず」と考えました。「知らない内に夜中に唇を噛んでいる?それなら歯科医でバイトブロックを作ってもらいそれを装着すれば良いかも」あるいは「若しかして朝晩飲んでいる白湯?」実は白湯を飲むことで便通も良くなるとテレビで観て、実践してみていたのです。そこで先ずは白湯を飲むのを止めました。そしたらなんと治ってしまったのです。1ヶ月治らなかったのが白湯を飲むのを止めただけで治ったのです。多分、白湯が熱すぎたのでしょう。熱湯を飲んでいたのが原因だったようです。

物事には全て意味があります。病気には原因があります。子どもの行動にも理由があります。その意味や理由、原因を考える想像力が大切と考えています。

写真はチングルマ。チングルマは花が咲き終わった後、穂が伸びて、それが赤ちゃんの玩具に似ているそうで、稚児の車、稚児車がなまってチングルマになったと言われています。雨に濡れ、水滴が綺麗でした。

filed under: