5、6年前でしょうか、高知のS先生(女医さんです)が「いのちの学習」を保育園児にやっているという講演を聴きました。感銘を受け、弘前でも是非これを広めたいとずっと思っていました。「いのちの学習」とは子ども達にいのちがどのように生まれるかを伝え、自分が親から愛されていること、いのちの大切さを伝える授業です。その学習は自己肯定感を育み、自分だけでなく、お互いを大切にする心を育みます。きっとそれはいじめを防ぐことに繋がるし、虐待の予防、少子化対策に繋がると思うのです。
授業は卵子と精子の出会いから始まり、子宮の中で胎児が育ち、そして産まれてくる。柔らかい布で作られた大きな子宮のぬいぐるみの中に実際に子どもが入り、出産を体験する。産まれてきた赤ちゃん(子ども)はオギャーと泣いてみせ、お母さんが無事に産まれて来てくれてありがとうを伝える。
昨年の日本乳幼児精神保健学会大阪大会でシンポジウムとしていのちの学習が取り上げられ、それが青森県でも行われていることを知りました。それは助産師さんによる活動で、小中学生に向けて行う「いのちの学習」でした。
それを知り、高知のS先生を呼び、助産師さんにお願いし、8月最後の土曜日にヒロロで「いのちの学習」の講演会を開催しました。お陰様で80名を越える参加者があり、盛会となってほっとしました。
自分が校医をしている豊田小学校でもこれまで何度もやってきたとか。なので知っている人も多いかも知れません。知らなかった自分が恥ずかしい。
「いのちの学習」の最初に始めたのは群馬県の鈴木せい子さんという助産師さんです。彼女が伝えたい大切な言葉は「生きているだけで100点満点」。そのメッセージは授業を受けた青森の子ども達にもしっかりと伝わっていました。
僕が企画した今回の講演会の参加者のメインは保育士さんでした。今、青森では「いのちの学習」が行われているのは小中学校だけです。保育園ではまだ行われていません。S先生は高知県でも最も西に位置する四万十町の小児科医です。「田舎だからできない、何もないからできないではなく、何もないから何かできる」という発想でやってきたと話していました。何もなくても今できることをやる。園全体で子ども達に何を伝えたいかを考え、学習に活かす園経営が大切と語っていました。その言葉はしっかり保育士さん達に伝わったようでした。
来週は甘えと間主観性研究会で高知に出掛けてきます。S先生にまたお目に掛かるのが楽しみです。
