国産ワクチン司令塔

その他のつれづれ

 昨日の読売新聞の第一面に大きく「国産ワクチン司令塔」という見出しで、国が国産ワクチンの開発・製造を後押しすると出ていました。もう30年以上前のことになりますが、実は日本はワクチン開発で世界をリードしていました。今世界中で使われている水痘ワクチンは日本で開発されたものです。しかしその後、ワクチンに関連した様々なトラブルがあり、メーカーは積極的なワクチン開発から手を引きました。トラブルとは麻疹・風疹・おたふく風邪の三種混合ワクチン(MMRワクチン)で多数の髄膜炎が出たことや、日本脳炎ワクチン後に脳脊髄炎が疑われる例が出たことなどです。マスコミも騒ぎ、ワクチンバッシングが巻き起こり、国はその対応に追われたのです。 今、日本で使用されているのは麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)ですが、世界中ではMMRワクチンが標準です。日本脳炎ワクチン後の脳脊髄炎は因果関係はありませんでした。その後、ワクチンメーカーはトラブルがあったときのリスクを恐れ、ワクチン開発に及び腰になったのです。
一方、合衆国ではワクチン施策を危機管理の一つとして捉え、国が積極的に開発を勧めていました。お陰で世界中の多くの人が救われ、おそらくファイザーもモデルナも今回の新型コロナワクチンで莫大な富を得たことでしょう。

 日本はどうも目先の利益だけしか見えないようです。今直ぐに利益を得られることには積極的ですが、将来に投資することはなかなかしません。官民共に確実に利益が得られると分かるものにしかお金を出さないようです。ワクチンで病気を予防することはその最たるもので、ワクチン政策を積極的に進めることは、今現在の出費はありますが、病気を予防することで、長期的に見ればその方がメリットが大きいのです。

 日本は子どもにお金を掛けない国だと言われています。心身ともに健全な子ども達を育てることに投資することは日本の未来に直結すると思うのですが、何故、それを渋るか自分には理解できません。

 このコロナ禍で世の中は益々窮屈になってきました。是非とも国は高齢者だけでなく、日本の未来を担う子ども達のことも忘れずに舵を取ってほしいものです。

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