ハイブリッド免疫?

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 忽那先生のサイトに出てきた言葉です。よくテレビに出てくるあの丸顔のひげをはやした先生です。それが医学的な言葉かどうかは知りませんが、新型コロナの抗体(免疫)にはS抗体とN抗体の2種類があるそうで、S抗体はワクチンを接種した人と感染した人のいずれも陽性になるのに対し、N抗体は感染した人だけが陽性になるそうです。

 献血された8260人の血液でそのN抗体を調べたところ、日本では既に4分の1の人がコロナに感染していたそうです。国が発表している統計では感染したのは累計で国民の5分の1ですから、おそらく5%の人は感染していても診断されていないことになります。その数5〜600万人?

 昨日秋田の能代の先生と話をしていて、その病院ではクラスターが発生し、職員全員のPCRをやったそうです。その結果、全く症状のない人もかなり陽性に出ていたとか。つまり自分が感染していることを知らずに過ごしている人がかなりいることになります。実はそれは早くから分かっていたことで、それはゼロコロナがほとんど不可能であることを意味しています。

 しかし予防接種を受けてS抗体ができた人が感染すると、あるいは感染した人が予防接種を受けるとハイブリッド免疫と呼ばれる強力な免疫が得られるそうです。つまり感染によって出来る免疫と、その後の予防接種によってできる免疫、それが合わさってできる強力な免疫とをハイブリッド免疫と呼んでいるのだそうです。イギリスでは既に8割の人が感染し、ハイブリッド免疫を獲得しているので、マスクを着けている人が少なくても感染は広がりにくい状況にあると書いてありました。則ち、エンデミックの状態です。

 一方日本ではまだハイブリッド免疫を持つ人は2〜3割ですから、今欧米と同じように感染防止対対策を緩和するのは危険ではないかという主旨でした。

 被害を最小限に抑え、多くの人がハイブリッド免疫を獲得するには重症化リスクの高い人が予防接種で免疫をアップデートした状態を保つことが重要。よそはよそ、うちはうち、ということで日本にあったペースで緩和を進めて行くことが重要と結んでいました。

当院のスタッフは既に半分以上が感染してしまいました。皆、軽症で済んでいるのはワクチンのお陰でしょう。

毎日のようにコロナの患者を診察している自分も感染する可能性は常にあり、ちょっと体調不良の時は検査するようにしています。しかし今のところまだ検査が陽性には出ません。それとも既に感染しているのでしょうか。大変興味のある所です。

自分に感染の既往があるか否か調べみようと思っています。

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