先を見通した診療とは

講演・学会・検診

 先週土曜日の午後、県の主催する発達障害者支援フォーラムに出席してきました。このフォーラムは毎年この雪の季節に開催されています。今年の講演は国立重度知的障害者施設のぞみ園のS先生。自閉症のある子ども達の生涯を通しての支援のあり方についての講演でした。ある一人の自閉症の方を設定し、その方が生まれてから80歳でなくなるまでの一生のストーリーを講演されました。想定されるライフイベント・・・診断、就学、就職、病気、そして老後生活、そしてそれらを支援する社会的課題。自閉症、その基本的な特性は生涯続きます。自閉症の子ども達を診るときその将来を見通した目で診ていく必要があるのでしょう。

 でもそれは何も発達障害に限ったことではないように思います。
例えば安易な抗生剤の使用が将来のアレルギーの引き金になったり、タミフルの使用は熱を2、3日早く下げることはできますが、インフルエンザに対する強い免疫が出来なかったりします。子ども達に関わる全てのこと、それが将来にわたって有意義かどうかを考える必要があると思ったのでした。

 ところで僕は自閉症を病気や障害とは思っていません。独特の特性を持っているだけなのです。特性とは性格みたいなもの。しかしその性格のために生きにくさがあったとしたらそれは支援が必要です。無理解が軋轢を生み、繊細な彼らは鬱などの二次障害を併発します。二次障害は治療が必要ですし、二次障害を起こさないような環境調整が必要なのです。

写真は講演会の帰りに立ち寄った物産館Aファクトリー。沢山のミニ灯籠が歓迎してくれていました。でもちょっとバランスの悪い写真だなあ (^_^;

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