孫の試練

院長のつれづれ

 前回の夜泣きの記事ですが、少し訂正します。
お母さんが自然に、大らかに、子育てできるゆとりが必要と書きましたが、大切なのはそれが可能になるような周囲(家族やご近所)の思いやりですよね。
前の書き方だとお母さん一人に責任を押しつけているようで不適切でした。訂正します。

 さて、先週の土曜日、娘が1歳になる息子(つまり僕の孫)を連れて結婚式を挙げました。挙式はディズニーランド近くのホテルの協会で。式の間中、孫息子は泣き続けていました。いつもなら泣いたら直ぐに抱っこしてもらえるのに、ママのおっぱいを吸えるのに。抱っこしてもらえてもほんの短い時間だけ。貸衣装をよだれで汚す訳には行きません。娘の胸元に手を入れようとしますが、直ぐに制されます。ママが目の前にいるのに抱っこしてもらえないフラストレーションで彼は泣き続けました。新婦入場で僕が娘の手を取ってエスコートし、旦那さんにその手を渡すのですが、普通なら目頭が熱くなるところでしょうが、孫息子の泣き声に気を取られ、それどころではありませんでした。
彼には大きな試練でしたが、まあ娘がそれで幸せを感じるなら育児にも良い影響があるだろうということで??としましょう。
式が終わって娘の部屋を覗きに行くと、そこにはニコニコと笑顔の孫息子がいました。

 多分、これはマルトリートメントなのでしょうが、それを上書きする幸せな思い出が積み重なれば良いのです。どんな子も幸せな楽しい思い出だけではありません。すべての子どもが多かれ少なかれ心に寂しさを気持ち、傷を受けています。しかしその傷も心の発達にとって必要なものです。そうでなければ他の人の心の痛みが分かる人にはなれないのですから。

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