赤ちゃん部屋のお化け

院長のつれづれ

 八戸で痛ましい事件がありました。5歳の女の子が水を浴びせられ放置され、低体温症で死亡した事件です。青森県では平成20年に2例、23年に2例虐待で子どもが亡くなる事件が続きました。その後、しばらく起きていなかったのに残念です。

 今回の事件で児相が非難される報道がありました。しかし青森県の児相は頑張っていると思います。少なくとも自分がよく知る弘前の児相は頑張っています。他県の先生に聞くと、「どこも虐待通告=即保護の対応で、それでは何の解決にもならない」とぼやくのをよく聞きます。親子を分離することで、母子関係は破綻してしまうことがあるからです。今回の事件でも「児相はなぜ保護しなかったのか」という論調で責められていました。しかし物事はそう簡単ではありません。親子を分離し、子どもを保護することは、その場しのぎの一時的な対応でしかありません。もちろん緊急避難的に分離することが必要なケースはあります。今回の事例もそうだったのでしょう。しかしその判断は今の児相の体制では困難だったのだろうと想像します。

 さて、なぜ親が可愛い我が子を虐待してしまうのでしょう。以前にも、このブログに「赤ちゃん部屋のお化け」というタイトルで書いたことがあります(2014/11/20)。母親自身が幼少期に虐待を受け、それが心の奥底に潜在記憶として残り、大人になって赤ちゃんの泣き声を聞いたとき、言うも言われぬ不安や恐怖を抱く現象。それをセルマ・フライバーグという先生が赤ちゃん部屋のお化けと名付けました。虐待の世代間連鎖という言葉も聞いたことがあると思います。可愛い我が子がお化けに見えてしまい虐待してしまう。子ども虐待を防ぐには親の心の中の赤ちゃん部屋のお化けを退治することが必要なのです。

 日曜日、岩木山の赤倉神社に慈母観音像の写真を撮りに行きました。しかしいくら少雪だからといって、流石にこの時期、お目当ての観音様は雪の下でした。

遅立ちしたこともあり、登山は中腹の伯母石までしか届きませんでした。

filed under: